構造時と完成時、気密の数値が違う理由とは⁈
前回に引き続き、気密測定のお話をしたいと思います。
こちらの現場では、構造時の気密測定値がC値0.4。
一方、完成時の気密測定値は0.7という結果でした。


完成時の数字が悪くなったという事にショックを受けられる方が多いのですが、実は珍しいことではなく、完成までの過程で自然に起こる変化が理由にあるのでご安心ください。
理由1
建物の外には外灯やインターホン、インターネット回線など様々な設備が設置され、それが建物の中に引き込まれています。その際、丸い配管(スリーブ)の中を電線が通っていく仕組みで、一個一個の設備機器が接続されています。

よく見ると、配管と電線の周りに隙間ができていたりするのですが、電気屋さんがこういった部分に気を付けて機器を取り付けしてくれていると思います。そういった一個一個の場所、小さな隙間が集まることで大体気密の数字はやや悪くなる傾向にあります。
一方、構造時の気密測定では、まだ設備機器が取り付けられていないため、こういう配管には目張り呼ばれる処理をし、テープで全部閉じてから測定します。一切空気が入ってこないような状態です。この辺りが構造の時点と完成のタイミングで数字の差が生まれやすい要因の一つです。
理由2
エアコンの配管でも上記と同じ理由で、エアコンのスリーブ管内に小さな隙間が生まれやくなります。

~風力測定~
24時間換気の自然給気口というものがあります。
これは壁に開けられた小さな開口部で、手をかざすと外からの空気が入ってきていることが分かります。けれど手の感触だけではどれくらいの量空気が入ってきているのかという事までは分かりません。
それを数字で分かるようにするのが風量測定器です。計測することで、設計通りに空気が流れているか、エアコンや換気扇、またダクトの風力も確認することができます。
こうした客観的データがあることで、品質管理がしやすくなり、住まいの信頼性にもつながります。

建物の気密性を高めるということは、家を密閉化することでもあります。建物をつくるときに使う素材の選定もとても重要です。床や壁はどんな材料にするのか?そういった素材のにおいは室内に残りやすく、日常的に感じることになります。今回計測させて頂いた、野沢工務店さんの現場は不快なニオイが全くしません。木の匂いがしてとても気持ちいいなと感じます。

気密性・断熱性を高めることは絶対必要ではありますが、それと併せてどんな素材を使うのかという視点も家づくりの際、大切にしていただきたいポイントです。
今回、お借りした現場は有限会社野沢工務店さんです。有難うございました!
有限会社野沢工務店
〒420-0881 静岡県静岡市葵区北安東5-41-2
Tel. 054-247-9006

