静岡県農林技術研究所 森林・林業研究センターにて①

静岡県農林技術研究所(浜北区於呂)

 

私たちは昨年、“天竜材でつくる大型パネル”の普及にむけて、大型パネルに使用する軸組材の

寸法安定性試験を静岡県農林技術研究所へ依頼しました。

 

今回、試験結果に基づく新しい天竜材の性能について、県の担当者から講評を頂きました。

そして、依頼した試験の結果に基づき、「集成材とほぼ変わらず、施工に影響しない変形量であること」

が証明されました。

 

蒸気乾燥後の天竜杉

 

川上の山から川下の町まで、天竜材を通じてつながりをつくることが、地域材大型パネルの

重要な使命の1つであると考えています。

 

しかし、現在の住宅業界では、「木が狂う」、あるいは「割れる」といった、無垢材に対する

顧客のクレーム対応の煩わしさが原因で、集成材(小さい板材を接着剤で再構成して作られる木質

材料/強度や耐水性について厳格な規格)が使用されるケースがほとんどになってしまいました。

 

左奥)

静岡県農林技術研究所 森林・林業研究センター

森林資源利用科長 農学博士 池田潔彦氏

左前)

主任研究員 星川健史氏

 

そのため、今回の試験では、新しい天竜材は、現在流通している集成材と比べて

「木が狂う」、あるいは「割れる」といった変形がどの程度起きるのかを数値で表すことに

しました。

 

 

また、木材の変形量以外にも、含水率が20%以下の場合は内部割れが見られない(依頼試験)ことや、

大型パネルはドリフトピンでパネルを組み立てるため、木材の内部割れは構造躯体としての問題に

なるであろうことが想像できます。この内部割れを限りなく減らすことも我々の乾燥技術であれば

可能です。

 

熟練の職人たちが現場の手作業で施工することによって成り立ってきた木造軸組工法。

今回の実験では、この伝統的な工法はそのままに、地域材を使って工場生産ができることが

実証されました。

 

試験の目的や内容の詳細は次回のブログで報告致します。